2019-05-13

小さな薬局集客のコツは「非効率を極める」こと

漢方薬局、調剤薬局、相談薬局。

これから先、地方の個店薬局や小規模な薬局が生き残るための「キモ」は何だろう?


こんにちは。

天心堂L&Cコンサルティングの梅崎です。

 

現役の薬局経営者(社長じゃないけど)&集客・販促コンサルタントの視点から、私が考えている「小さな薬局の、一つの生き残り方」を書いてみたいと思います。

 

右が私、左が兄で社長

 

商売が生存し続けるためには、当然利益がいるわけです。

店の存続に必要な経費や自分たちの生活費、スタッフの人件費を賄えるだけの「生存利益」を確保しなくちゃいけないですよね。

 

で、その経費なんですが、今後は必ず増加します。

 

一番の原因は深刻な人手不足

昔は割と人気職だった調剤事務ですら、面接に来てもらうこともできないくらい苦労することになります。

実際、鹿児島の薬局経営者に話を聞いたら、調剤事務の募集を出しても全然応募がないのだとか。

そうなれば当然、人件費は高騰しますよね。

 

その他の経費も増えます、必ず。

例えば広告宣伝費は、どんどんコスト高になってます。

 

2019年前半頃から、チラシ用の紙が極端に値上がりしているから、チラシ印刷はどこかしこも値上げラッシュ。

もちろん薬価差益もどんどん小さくなっているから、原価も高止まり。

 

そんな環境の中で、新しい取り組みを始める小さな薬局が増えていますよね。

在宅医療に力を入れている薬局もあるし、シナジーを活かした別事業を始める薬局もあります。

もちろん、OTC販売に力を入れる薬局も。

 

 

私のコンサルタントとしての専門分野は、地方の小さな地域密着店の集客と販促。

なので、薬局でのOTC販促のを軸に考えてみます。

 

小さな薬局の「一番の急所」

 

 

OTC販売を軸に生き残り方を考えるとき、一番の弱みは「商品で差がつけられない」ってことです。

仕入れ販売ですからね。

メーカーが作った薬やサプリを仕入れて販売しているわけで、薬局独自の薬を開発しているわけじゃない。

 

となると、当然競争に弱くなるわけです。

だって、商品はどこで買っても同じだから。

 

昔はね、それでもやって行けたんです。

メーカーが卸先の店を限定していたから、同じ商圏で競合は発生しにくかったんですよね。

だから良い商品を扱って、親身に相談対応していれば、自然にお客さんが集まってきてくれて、商売が成立していました。

 

でも、今はすっかり時代が変わりましたよね。

昔ながらの主力商品はドラッグストアでバンバン売られているし、ネットでもドカドカ売り出されてる。

商品で違いを作れない以上、安くて品ぞろえ豊富、しかもワンストップ・ワンクリックで買い物できるライバルには勝てないわけです。

 

めちゃめちゃ競争に巻き込まれてるのに、商品で差をつけられないってのが、薬局の一番の弱点です。

お客さん側からしたら、選ぶ理由がない。Amazonで十分となるから。

 

そうなると、商品以外で違いを作らなきゃいけない。

さて、何で違いを作ろうか・・・。

 

 

「独自化」した薬局だけが選ばれる

 

 

 

違いを作る、というと、多くの方が思い浮かべるのが、「差別化」という言葉。

商売をしていれば必ず、「差別化」が大事だって言われますもんね。

 

でもね。

薬局経営にかかわっていて思うんですが、差別化って良いことなんでしょうか?

 

本題とちょっと話がそれますが、差別化についても考えておきましょう。

地方の小さな薬局にとって、「差別化」って2つの問題をはらんでいます。

 

差別化を考えるとき、顧客視点が外れやすい

 

 

差別化って、「ライバルとは違うところを作る」ってことですよね。

これ、変な視点だって分かります?

 

差別化は、自店とライバルを比べて、どっちが優れているかって考え方です。

つまり差別化しようと思った時、目を向けているのはライバルの方。

そこにはお客さんがいない。

 

だから差別化差別化って考えてしまうと、お客さんを置いてけぼりにしちゃう。

 

面白い話があって。

ある行政書士さんが、生き残るために差別化しようって考えたそうです。

 

で、やったことは何か。

「金髪に染めること」だったそうで(笑)

 

いやまぁ、そりゃ他に金髪の行政書士さんはいないから、違いにはなるでしょうけど、選ばれる理由にはならないですよね。

お客さんが喜ぶ違いじゃないですもん。

 

違いを作るなら、お客さんが喜ぶ違いじゃなきゃいけない。

つまり顧客視点を外しちゃいけない。

でも差別化はライバル視点。

だから問題があるんです。

 

それともう一つ、問題があります。

 

差別化は比較検討が前提になる

 

 

差別化って、ライバルと比べて優位だから選ばれるってことですよね。

あっちの薬局、こっちのドラッグストア、向こうのネットショップと比較検討したうえで、やっと選んでもらえるわけです。

 

これ、大変ですよ。

品揃えではネットに勝てないし、価格では大手に勝てない。

利便性でも勝てないですよね。

 

小さな薬局は比較検討されちゃったら分が悪いです。

必要なのは、比較検討すらされない「圧倒的な違い」なんです。

 

実は私自身、家業の経営立て直しに取り組む中で、違いを作り出すのに一番苦労しました。

だって、人手もお金も、圧倒的に弱いんですから。

設備もないし、スキルもないし。

 

我々みたいな小さな薬局で、選ばれる理由を作るにはどうしたら良いか。

比較検討されるまでもなく、我々でしか提供できない価値をどう作るか。

 

ずっと悩み続けていましたが、一つだけありました。

どんな薬局でも必ず作れる、圧倒的な違いのポイント。

 

小さな薬局でしか提供できない価値で独自化

 

 

それは「関係性」。

お客さんとの関係性を強く強く強くして、お客さんにとって替えのきかない存在になることです。

 

そうすれば、お客さんは比較検討しません。

だって「その人」は他店にはいないから。

 

大手にもマネできません。

面倒くさいから(笑)

 

関係性を強くするのって、手間暇かかるんです。

そんな面倒くさいこと、大手はできません。

 

それに大手は人の異動も多いですから、せっかく作った関係を維持できません。

大手が攻めたくても攻められない、というか攻める気にならないニッチなところで勝負するんです。

それが関係性マーケティングです。

 

小さな薬局は非効率を極めろ!

 

私が書いている手紙やチラシの数々

 

お客さんとの関係性を強くするのは、結構面倒くさいです。

良い関係は一朝一夕にはできませんからね。

手数が勝負です

特に新しいお客さんとの関係作りはね。

 

関係性は時間とともに薄くなります。

遠距離恋愛と同じ。

どんなに燃え上がるような恋をした二人でも・・・。

悲しいかな、時の流れは残酷です。

 

ましてや我々とお客さんは、あくまでも商売の関係。

ほっといたら、すぐに心の距離が離れます。

だから出来るだけ短期間に、高頻度の接触を実現しなきゃいけません。

 

それだけじゃありません。

 

良い関係を作るには、相互理解が大事。

こちらが一方的にお客さんのことを知っているだけでは不十分です。

 

薬局って、ここも弱いんですよね。

お客さんのことは一生懸命知ろうとするけど、お客さんに知ってもらう努力はしないんです。

 

でもね、「私はあの人のことはよく知らないけど、あの人は私のことをよく知ってるの」って人と、仲良くなれますか?

一方的な関係って、良い関係とは言わないでしょ?

 

だから「店が大事にしている価値観」や「健康になるために、お客さんに信じていてほしいこと」、「スタッフの人柄」などをお客さんに理解してもらう必要があります。

そうすることで相互理解が深まり、良い関係を作ることが出来るんです。

 

ヒトに価値を感じるお客さんは必ずいる

相互理解を深めるコミュニケーションを、短期間で高頻度に行えば、関係性は強くなります。

 

もちろんそれを嫌うお客さんもいますが、そういうお客さんはネットやドラッグストアに任せれば良いんです。

我々は「サクッと商品だけ売ってくれよ!」というお客さんではなく、「あなたなら私のことを分かってくれそう!」「あなただから相談したい!」って言ってくれるお客さんをターゲットにすべきです。

 

そして、そういう「ヒト」や「関係性」に価値を感じるお客さんは、一定数存在しています。

「熱心に聞いてくれてうれしい」

「良く聞いてくれてうれしい」

という声がたくさん寄せられるのがその証拠。

(詳しくは当店のお客様の声を見てください)

 

お客さんとの相互理解が深まれば、お客さんにとって替えのきかない「一番身近で頼れる専門家」のポジションを手に入れられるんです。

これほど強い「違い」は無いですよね。

 

とはいえ、小さな薬局はあまり人手や労力をかけるわけにもいきません。

面倒なのもできれば避けたい。

だから「仕組み化」します。

 

非効率を仕組み化する

 

仕組みというのは、「次にやることが決まっている」ということ。

関係作りの仕事をルーチンワーク化して、毎日の業務に組み込むわけです。

 

例えばうちではこんな感じで関係性作りを仕組み化しています。

 

1.「ヒトを売る共感チラシ」で新規集客。

2.カウンセリング

3.次回予約

4.3ステップレター1通目を手渡し

5.コミュニケーション内容を記録。

6.お礼ハガキ(3ステップレター2通目)を用意。

7.3ステップレター3通目をカレンダーにセット

8.期日がきたら3通目の手紙を送付

9.以降はニュースレターで関係の維持と強化

 

仕組みを作ると楽ですよ。

考えないで、やるべきことを粛々とやれば良いだけですから。

 

そうすれば、関係性作りという面倒で非効率な業務の負担は一気に軽減します。

脳みそが疲労することもないから、その分全力でお客さんに向き合うことが出来ます。

 

非効率なことを効率的にやる。

これが非効率を極めるってことです。

 

仕組みの内容については、相当長くなるので別の機会に。

 

これから先の、小さな薬局の行き残り方

 

長々ととりとめのない話になりましたが、1行でまとめるなら「これからますます厳しくなっていくけど、関係性構築を仕組み化することで、小さな薬局らしい生き残り方が出来る!」ということ。

 

実際、弊社ではこの仕組みが出来上がってから、集客も客単価も大幅にアップしました。

わずか1年で売上は28%アップしましたし、ロイヤルカスタマーは3倍以上に増えました。

 

驚くことに、社長が病気療養で長期入院しても、売上は伸びました

今、社長は負担軽減のために半日勤務を継続していますが、それでも売り上げは伸びています

 

この関係性マーケティングが、小さな薬局に最も向いた生き残り方だと思っています。

異論反論おありでしょうけれど、「こんなやり方もあるのだな」と刺激の一つにしてもらえれば幸いです。

 

地域に根差し、顧客に密着して健康作りに取り組む街の薬局は、地域の宝です。

一人でも多くの住民を元気にするためには、末永く店が存続することが大前提です。

ぜひ、関係性マーケティングを一緒に始めましょう。

 

そのための第一歩はとして、プレゼントを用意しています。

こちらから請求してください。

ヒトを売るチラシや3ステップレター、ニュースレターにご興味があれば、無料相談もどうぞどうぞ。

 

ちょっとでも「良いな」って思ったら、シェアしていただけると幸いです。

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