2021-11-28
組織を停滞させる学習的無力感とは
相変わらず、ジェネリック医薬品メーカーの不祥事が続いていますね。
新聞等で不祥事の真因について様々な考察がなされています。
例えば、薄利多売の業界構造に原因があるという考察もあります。
ジェネリック医薬品は通常の医薬品より価格が安いので、どうしても薄利多売になります。
しかも国策によって使用が促進されているので、大量に作って大量に売ることで、ビジネスが成り立っています。
品質や安全面を犠牲にしてでも、大量製造、販売しなければ事業が成長しない構造だというのです。
これは確かにありそうです。
それに薄利多売だと、不良品の廃棄ロスによるダメージも大きそうですしね。
ただ、不正や不良を見過ごしたり、隠ぺいする企業体質になってしまう理由は、薄利多売の業界構造以外にもあるように思えます。
ある記事には「学習的無力感」が原因だと指摘するものがありました。
学習的無力感とは意見を封殺されてきたり、評価されない状態が続くことで、
「どうせ何を言っても無駄」
「改善を提案しても、そんな意見は取り上げられない」
と、一種の諦めのような意識を持つことです。
この説には説得力があるように思います。
薄利多売の業界では、経営者は大量生産・大量販売とローコスト経営を重視します。
その中で、企業の在り方を正す意見が出されても、取り上げなかったのでしょう。
何を言っても無駄、と従業員に思わせてしまうのは、経営者の責任です。
従業員に無力感を感じさせないように、自分の考えと異なる意見でも真摯に聞き、冷静に判断する器量を持ちたいものですね。
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