ヒトを売るマーケティングのリスクと対策
「家業の薬屋立て直し物語」では
立て直しに有効だった
様々なマーケティングツールを
ご紹介してきました。
今日は「儲け下手社長の繁盛記」
第27回です。
こんにちは。
天心堂L&Cコンサルティングの梅崎です。
武器として使ったツールは
お礼ハガキもニュースレターも
3ステップレター。
これらのツールは全て
お客さんとの関係性を
構築するためのもの。
お客さんに兄の価値観や
人柄を好きになってもらい、
信頼感と親近感を持たせて
お客さんの心をつかむ
マーケティングです。
私はこのやり方を
「ヒトを売る」マーケティング
と呼んでいます。
この方法は、店舗ビジネスなら
ほとんどすべての業種で
応用することが出来ます。
ただ、どんなマーケティングも
万能ということはありません。
「ヒトを売る」マーケティングにも
もちろんリスクも存在します。
今日はそのリスクと対策について
お話ししますね。
■ヒトを売ればお客さんが集まる理由
私たちのお店の周りには
たくさんのライバルが
存在していますよね。
兄の店もそうでした。
ここ数年で6店舗も
大手のドラッグストアが
進出してきたんです。
地図を見てみると、
ウチを囲むように
グルッと大手の店がある(笑)
何とか差別化しないと
兄の店に来てもらえない。
でも・・・。
仕入れ販売という形態なので
商品では差別化が出来ません。
取り扱っているのは
製薬メーカーが作っている
既製品ですから。
価格や品揃えではもちろん勝てない。
資金力でも勝てない。
店の広さも利便性も勝てない。
ナイナイ尽くしの中で
唯一、大手やライバルに勝てるのは
「ヒト」しかないんです。
累計6万件に及ぶ漢方相談の経験があり
薬局100選にも選ばれた
確かな知識と相談対応力。
小さい頃、病に倒れた祖父の
介助をする中で育んだ、
「病気で苦しんでほしくない」
という信念。
地元柳川を愛し、柳川の皆さんを
元気にしたいという兄の想い。
これらは他のライバル店には
絶対にない差別化のポイントです。
兄の想いや人柄、信念や価値観を
上記のツールを使って
お客さんに伝えることで、
親近感と信頼感が生まれ、
ファン客へと育てることが出来ました。
これこそ兄の店を立てなおせた
最大のポイントだったわけです。
ただ、この方法は万能ではありません。
■ヒトを売るマーケティングのリスク
ヒトを売るマーケティングのリスク。
それは「ヒト」がいなくなった時
お客さんが離れやすくなることです。
実は兄が大きな病気をして
しばらく店に
出られなかったことがあります。
当然、売上には影響が
出ることになりました。
お客さんは兄のファンだから
店に来てくれていた。
居なくなれば来なくなるのは
当然と言えば当然です。
ヒトがいなくなれば
ヒトを売るマーケティングの
魔法が解けてしまうわけです。
ヒトの入れ替わりが多い
大手チェーンでは
ヒトを売るマーケティングが
出来ないのも同じ理由です。
■リスクを回避する方法
ヒトを売るマーケティングの
リスクを回避する一番の方法は
「売るヒト」を増やすことです。
もし、兄だけにしか
ファンがついていなかったら
兄が倒れた時点で
店は終わりになります。
そうならないように、
ニュースレターや
3ステップレターでは
いつもスタッフを登場させていました。
兄だけでなく、スタッフも同じように
価値観や信念、想い、人柄を
伝えるようにしていたんです。
柱が多ければ、1本が抜けたとしても
他の柱で店を支えることが出来ます。
ヒトを売るマーケティングの
形がある程度出来てきたら、
他のスタッフさんも登場させましょう。
お客さんの関係性を作れば
柱を増やすことが出来ます。
致命的なリスクを避けるのは
経営を長く続けるために
必須の取り組みですからね。
もし、あなたの代わりになる
スタッフさんがいないのなら
やるべきことは一つです。
無理をし過ぎないこと。
経営は継続が大前提。
疲れた体にむち打って、
必死に頑張らなくても良いように
マーケティングの「仕組み作り」を
最優先でやりましょう。
仕組みがあれば、考えなくても
無理矢理頑張りすぎなくても、
やるべきことを淡々とやれば
お客さんを集めることが出来ます。
どんな手法にも
メリットとデメリットがあります。
適切なリスク対策をしていれば
ヒトを売るマーケティングは
とっても強力な効果を発揮します。
メリットとデメリットを理解して
リスク対策を行いながら
日々のマーケティングに
取り組んでくださいね。
■繁盛店になるためのまとめ
1.ヒトを売るマーケティングは万能ではない
2.ヒトがいなくなれば魔法は解ける
3.仕組み作りと柱を増やすことで対策出来る
あなたのお店が繁盛店になることを願っています。
いつでもご相談下さいね!
応援していますよ!
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