2021-09-29
達人にファインプレーなし
先日読んだメルマガに「達人にファインプレーなし」という言葉が紹介されていました。
これは名遊撃手として知られた久慈照嘉氏の著書、『遊撃手論』の書評に書いてあった言葉です。
確かにそうだと思います。
ファインプレーで危機的な状況を切り抜けると、アナウンサーは興奮し、球場は大歓声に包まれます。
ファインプレーは多くの方を魅了するプレーですが、裏を返せば、それだけ危機的な状況だったということです。
一方、優れた遊撃手はそもそもファインプレーが必要になるような、危機的な状況を作らないのだそうです。
あらかじめ打球を予想し、打球の方向にちょっと寄っておくことで、確実に捕球できる。
派手さはないですが、敗北の危機を作らない方が優れているは明らかです。
久慈氏はゴールデングラブ賞を一度も受賞していませんが、その理由はファインプレーが必要な状況を作らないからかもしれません。
経営でも同じことが言えそうですね。
起死回生のアイディアや一発逆転の経営手腕で危機を切り抜ける。
こうやって生き延びた方は、確かに派手で目を引きますし、すごい経営者に見えるかもしれません。
しかし、そもそも危機的な状況に陥ることなく、安定して経営を続ける方がよほど優れています。
常に環境変化に目を配り、あるべき姿と現状のギャップを把握する。
そのうえで計画を立て、着実に実行する。
結果を正面から受け止めて、不足や課題を発見し、改善し続ける。
そうやって可能な限り危機的な状況を回避しながら、事業を存続・成長させる経営者の方が、より優れた経営者といえるのではないでしょうか?
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