2021-11-05
管理体制を甘く見てはいけない
ものづくり補助金や事業再構築補助金の申請書を作成する際には、実行体制の記載が求められます。
これは補助事業がきちんと実施できるかを示すためですが、それ以外にも重要な意味があります。
補助金は採択される事が目的ではなく、事業化して成長することが目的です。
事業化の際は、しっかりした実行体制を構築しておくことが不可欠です。
今回紹介する事例は、管理体制の甘さから危機に陥った企業です。
「ベンチャー企業の経営危機データベース」の事例です。
食品製造販売を行う企業で、積極的な商品開発で大手との取引も増えていました。
それに伴い、生産に追われるようになり、次の一手を打ったのですが・・・
中国との合弁企業を設立して生産をはじめたところがケチの付き始めでした。
紆余曲折を経て中国での生産を始めたものの、使用期限切れの調味料が使われてしまったことで約37万個の自主回収が発生しました。
このような事態に陥ってしまった原因は、品質管理体制の甘さです。
これまでも品質面でクレームを受けたことがあったそうですが、人員不足や育成に時間がかかることから、体制強化が追い付いていませんでした。
加えて、納期厳守を求められていたことから、海外工場の品質管理の目が行き届かなくなっていたのです。
いくら売れる商品でも、実行体制や管理体制が甘ければ、いつかこのような事態が起こり得るのです。
だからこそ、補助金の計画書にも実行体制などを記載する必要があるのです。
新しく価値ある商品を開発するだけでなく、継続的に価値を生みだし、提供し続けられる体制の構築も、事業再構築の一部なのですね。
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