新技術を開発し新たな需要を開拓した事例
コロナ禍を乗り切るための、新事業展開や業態転換のヒントになる事例を、「中小企業白書」からご紹介。
成功のための気付きをシェアいたします。
今回の出典は中小企業拍手2013です。
◆基本情報
【社名】株式会社下村漆器店
【業種】漆器の製造業
【規模】従業員14名。資本金1000万円。伝統的な漆器製作技法を活用した製品開発で事業を拡大。
◆従来の状況
福井県鯖江市で、越前漆器の技術を受け次ながら、時代に合わせた商品開発で事業を拡大してきました。
あるとき、大手航空会社グループ企業から新製品開発の打診がありました。
成功すれば大チャンスですが、技術的にはかなり困難な打診です。
◆取り組み
当時、安価な海外製品の流入拡大に危機感を覚えていた同社は開発に乗り出します。
自社だけで開発できない分野の研究については、福井大学等と連携して開発に着手。
伝統的な技法に科学技術を融合することで、困難な開発に成功しました。
◆取り組みの結果
技術開発の結果、2007年には特許を取得。
第3回ものづくり日本大賞 伝統技術の応用部門 優秀賞を受賞。
この時開発した商品は、売上の5割を占めるまでに成長し、同社の主力事業となっています。
現在は更なる製品開発を進めています。
◆成功のポイント
第一の成功ポイントは、自社だけで開発出来なくても諦めず、大学と連携して開発に取り組んだことです。
開発困難な技術だからこそ、開発出来た時に得るものは大きいのです。
どうすれば開発できるかを突き詰める姿勢が成功を生みました。
◆成功のポイント2
2つ目のポイントは、伝統技術を維持するだけにとどまらない経営姿勢です。
伝統を維持するためには、常にその時代に必要とされなければなりません。
従来から時代に合わせた商品開発に取り組み続けてきた同社だから、技術開発出来たと言えます。
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