2021-03-11
他人にもっと与えられませんか?
私は古代中国、春秋戦国時代の歴史小説が好きで、よく読んでいます。
史書に残されているエピソードの中には、現代のビジネスにも通用するものが少なくありません。
私の好きなエピソードに絶纓(ぜつえい)の会というものがあります。
どんなエピソードなのかというと・・・
当時の偉大な王であった、楚の荘王という方が、ある日家臣を招いて宴会を行いました。この宴会を絶纓(ぜつえい)の会と言います。
その宴会である事件がありました。
皆お酒を飲んで楽しんでいた時、風が吹いてろうそくが消えてしまいました。
その隙に、王の妃にいたずらをした家臣がいたのです。
妃はとっさに相手の冠の紐を引きちぎり、それを証拠に、王に訴えました。
ところが王は家臣を皆の前で罰することを避け、その場にいた家臣全員に、「冠の紐をちぎれ」と命じました。
犯人が誰か分からないように配慮したんですね。
その後、荘王が戦で危機に陥った時、蔣雄という家臣が命掛けの活躍で王の危機を救いました。
王がなぜそこまで頑張ってくれたのかと問うと、蔣雄は、「絶纓の会でいたずらをしたのは私です。あの時の恩返しをしたくて」と答えました。
人は何かを与えられたら、その分お返しをしようとする生き物です。
日本でも、御恩と奉公が武士社会の基本でした。
トップが先に御恩を施し、家臣がそれに答えて奉公する。
恩を与えるのが先で、得るのは後なんですね。
スタッフやお客様に、もっと何かを与えることができないか、与える機会を作れないか考えてみると、逆に得るものが増えるかもしれませんね。
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