2021-03-10
人材育成 厳しい方が良いか、寛容な方が良いか
人材育成や人材採用に悩む業界、企業はとても多く、永遠の課題と言えるものです。
人材の問題は、古来からリーダーの悩みの種で、様々な格言が残っています。
春秋戦国時代の鄭(てい)という国に、子産(しさん)という名宰相がいました。
この人は弱小だった鄭の国を強くし、人々に慕われたリーダーです。
子産が高齢になり、病に伏せるようになった時、後継者となる游吉という人を呼んで、人の導き方について教えました。
その考え方は、現代の企業経営にも応用できるものです。
子産はこう言いました。
「寛容な態度で治めるのは、徳を持った人間だけが出来る。だがそれは非常に難しい。
次に良いのは、厳しい態度で治めるやり方である。」
火は恐ろしいが、その恐ろしさゆえに人は近づいてこないので、かえって焼死する人は少ない。
水は柔らかく、人が慣れ親しんで近寄るが、大勢の人が溺死する。
これと同じように、寛容な態度で人を治めるのは難しい。
游吉はこの言葉に反発し、人々に寛容に接し、政治を行いました。
が、人々の規律は緩み、勝手な行動が増え、かえって人々を害することになったため、厳しく律する政治を行って立て直したそうです。
人に寛容に接して導くのは、これほど難しいのですね。
厳しさが行き過ぎてブラックになってはいけませんが、愛情のこもった厳しさで接する方が、組織はうまく機能するということですね。
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