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2025-08-08

利益は出てるのに現金がない!調剤薬局の黒字倒産を防ぐ3つの視点

「決算書では黒字。でも会社にはお金が残っていない」

「儲かっているはずなのに、なぜか支払いに困る」
「他よりも繁盛していて、利益も多いはず。
 なのに経理を担当している妻から”返済できない”ってSOSが・・・」
そんなお悩みをお持ちの薬局経営者の方も少なくありません。
もし思い当たるところがあるなら、それは黒字倒産の一歩手前かもしれません。
今回は、頑張っている薬局経営者が陥りやすい「黒字倒産」に焦点を当て、利益が出ているのに現金が足りなくなる理由と、その対策となる3つの視点を、キャッシュフローコーチの立場からわかりやすく解説します。

黒字倒産とは? 〜利益が出ていても潰れる薬局〜

黒字倒産とは、「会計上は利益が出ているにもかかわらず、手元の現金が不足して支払いができず、事業が続けられなくなる状態」を指します。
倒産というと、売上不振やコスト高で利益が出なくなり、支払いが滞って起こるイメージですよね。
でも、この黒字倒産もたまに直面するんです。
特に調剤薬局のように、収入と支出のタイミングがズレやすい業種では、資金繰りの管理を誤ると簡単に陥ってしまいます。

なぜ黒字なのに現金が足りないのか?

結論から言えば、「利益」と「現金(キャッシュ)」は、まったく別物だからです。
たとえば、こんな場合、利益と現金の動きにずれが出てきます。

●レセプト請求(売上計上)は月末だけど、実際の入金は約2か月後。入金の前に薬代の支払いがある場合、お金が足りなくなる可能性があります。
●多額の在庫を購入し在庫したので現金が減った
●新店舗オープンなどの費用がかさみ、利益は出ているけど返済額に追いつかない

このように、利益と現金の動きにはズレがあります。
そのズレを考慮して資金管理をする必要があるわけです。
しかし、薬局に限らず、多くの経営者さんが「利益が出ている=安心」と思い込んでしまい、現金不足に気づくのが遅れてしまいます。

実際、私がご支援した例では、新店舗オープンの費用がかさみ、黒字倒産しかけていた事業所さんがあります。

その事業所さんは調剤薬局ではありませんでしたが、黒字倒産寸前でした。

実はメインの金融機関さんも黒字倒産の可能性に気づいておらず、社長も「相当利益が出ているから足りないはずはない」と思っていました。
「借入金の返済ができない!」と焦っていたのは経理担当の奥さんだけ。
社長も非常に優秀な方で、同業他社に比べ売上も利益も多い企業さんでした。
なので私も最初は、奥さんがなぜ返済できないと思ってるのか不思議でした。
しかし資料を分析してみると、確かに黒字倒産の可能性が高かったのです。
調剤薬局のお金のブロックパズルを援用して図にしてみると、こんな感じです。

利益は123出ているのに、それを上回る返済が発生しているのでお金が足りなくなっていたのです。

※薬代とか技術料とか余計な記載があるのは無視してください。ありものの図を援用しているので、書かれているだけです。

※ちなみに、借入金の返済は損益計算書上の経費には入りません。

このように、店舗展開等で多額の借り入れをしたときなど、利益が出ているのにそれ以上に返済がかさみ、お金が無くなるパターンでした。

この時はその状況を金融機関さんにご理解いただき、借り換えなどで支払期間を延ばしてもらって月々の返済負担を軽減。
キャッシュ不足に陥らないように手を打つことができました。

薬局の黒字倒産を防ぐための3つの視点

それでは、調剤薬局が黒字倒産を防ぐために何を意識すべきか。ここでは、キャッシュフローコーチとして特に重要と考える3つの視点をご紹介します。

視点①:会計上の利益とキャッシュフローの違いを理解する

「利益が出ているから大丈夫」と考えず、資金の動きを理解しましょう。
以下のような場合、
会計上の利益
実際の現金
レセプト請求時点で売上を計上する(入金前)
実際に入金された時点で現金は増える
仕入ただけでは経費(売上原価)は増えないから、利益は減らない。
仕入れ先との取り決めた支払時期が来たら現金が減る。
減価償却費を計上すると利益は減る
減価償却は現金支出がない経費なので現金は減らない。
借入金の返済は費用に含まれないので利益は減らない
返済すると現金は出ていく
つまり、利益と現金は一致しないということ。
この感覚を持っておくことが大事です。
もう一つ事例を出しましょう。
製造業のご支援をした時のことです。
その企業は社長の方針で「品切れ防止」を重視していました。
そのため常に在庫を多く持つようにしていたのです。
前年の実績をもとに、不足しそうになった材料は多めに仕入れていました。
そのやり方を続けていたため、長年の間に余剰の在庫が積みあがっていたのです。
在庫の仕入れの際には、当然現金で払います。
つまり手持ちの現金が、どんどん在庫に変わってしまってたわけですね。
在庫は、売れないと現金として回収できません。
在庫が増えれば増えるほど、支払い用の現金が減っていくのです。
その結果、現金が減りすぎて借入金の返済が滞る事態になっていました。
そこで仕入れ方針を見直したり、在庫一掃セールをしたりして現金化を進めることにしました。
非常にざっくりした説明ですが、在庫が増えると現金は減ります。
現金が減れば支払い能力が低下するので、注意が必要なのです。
このような利益と現金のズレを理解し、現金の管理をしっかりしておくことが健全な経営には不可欠です。

視点②:利益ではなく「手元現金」を増やす発想を持つ

調剤薬局の経営では、「いくら利益が出たか」ではなく、**「いくら現金が残っているか」**をチェックしましょう。
たとえば以下のような視点が大切です。
  • 月末の現金残高はいくらか?
  • 今月末の支払予定額は現金残でまかなえるか?
  • 来月の入金予定はいつ、いくらか?
  • 入金のタイミングと支払いのタイミングを考え、資金が足りるか
このような観点で資金管理をしっかりするために、資金繰り表を用いると良いですね。
「お金の動き」を予測する習慣を持ちましょう。

視点③:一時的な支出に注意する

資金繰り表をしっかりつければ、資金不足を防ぎやすくなります。
先々の資金の増減を考慮して、投資等の判断ができるからです。
たとえば、
  • レセプト入金前に賞与支払い
  • 新規設備導入の一括支出
こうした一時的な支出が重なると、たとえ利益が出ていても、現金が一気に減ります。
そうならないように、ボーナスの支払い分の現金を確保するよう予定を組んだり、資金の動きを考慮して無理のない設備投資をしたり、投資をするにしても過度な負担にならないようにするなども可能です。
また、どうしても借入金の返済負担が重い場合は、借換や条件変更も可能です。

小さな薬局こそ、キャッシュフロー経営が必要

「うちは小さい薬局だからそこまでしなくても……」 そんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、規模が小さい薬局ほど、経営体力が乏しく、資金難に陥りやすいものです。
もし数字が苦手なら、「現金の動きを把握すること」から始めてみてください。
簡単な資金繰り表のフォーマットは、様々な公的機関が公開しています。
そのようなものを使ってもいいでしょう。 大切なのは「今後数か月のお金が足りるか?」を定期的に確認する習慣を作ることです。

まとめ:黒字倒産を防ぐ3つの視点(再掲)

視点
内容
① 利益と現金の違いを知る
会計上の利益=現金ではないと理解する
② 手元現金を増やす発想を持つ
利益よりも現金残高に注目する
③ 一時支出に備える
ボーナスや設備投資などで現金が減る月に注意
これら3つの視点を持つことで、利益が出ていても倒れない、「キャッシュに強い薬局経営」へと近づくことができます。

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