2021-10-29
果敢な設備投資が危機に直結した事例
本日も経産省の「ベンチャー企業の経営危機データベース」の事例をもとに、失敗からの学びを得てみたいと思います。
本日の事例は、再構築補助金の活用時にも活かせる内容です。
今回の事例企業は高付加価値な製品を製造する医療・ヘルスケア分野の企業です。
当初は治験を行いたい製薬会社と病院を結ぶ事業で急成長し、年商3億円に到達。次の一手として新事業展開を図りますが・・・
新事業として始めたのは高水素濃度ウォーターという商品の製造販売。
最初は協業先に製造を委託していたものの、自社製造に切り替える判断をしたところから、事態が悪化して行きます。
多額の投資を行って製品を作る工場を建設したものの、予想以上のコストがかかり、資金が不足してしまいました。
元々過大投資を懸念されていたことから、追加融資が受けられず、事業が行き詰ることになりました。
元来、認知度の低い商品でありうえ、販売網が弱い状態で自社製造に切り替えた判断も危機の一因です。
しかしそれ以上に問題だったのは、ノウハウのない製造業に乗り出すのに、過大投資を決断したことです。
本来、このような多角化は極めてリスクの高い決断です。
想定外の事態が起こり得るのは当然です。
にもかかわらず、入念な設備投資や資金計画を立てなかったことが、危機を招くことに直結したと言えます。
昨今注目されている「事業再構築」もリスクの高い取り組みです。
想定外の事態は当然です。
入念な計画を立て、十分な余力をもって取り組むべきです。
補助金があるからと言って安易な投資は避けたいですね。
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