2021-08-17
意図が伝わらない原因
先日、商工会議所の経営相談で、こんなご相談がありました。
飲食店を経営している相談者さんは真面目で、目標を明文化し様々な改善案も考えていました。
しかし、その改善案がうまく実行されないというのです。
その経営者さんの改善案を見ると、うまくいかない理由が分かりました。
その方の改善案はこのような内容だったのです。
「スタッフの能力をあげる」
「管理職を育てる」
確かに、スタッフの能力を高め、管理職を育成することができれば生産性や顧客満足度があがり、業績は上向くでしょう。
ですが、そもそも「スタッフの能力をあげる」とはどんなことを指しているのでしょうか?
接客のスキルを磨くのも能力アップですし、メニュー開発や企画力を上げるのも能力アップ。
誰でも一通りの仕事ができるようにする多能工化も能力アップです。
能力アップといっても、様々な内容があるのです。
ですから、能力アップを求められても、何をすれば良いのか分かりません。
その結果、成果につながる行動ができないのです。
定義のあいまいな言葉を使っているために意図が伝わらなくなっているのです。
「この仕事急ぎで」と言って頼まれたとしても、今すぐなのか、1時間後で良いのか、今日中なのか分かりません。
急ぎの解釈は人それぞれです。
このように、共通認識を持てない言葉で伝えても、意図は伝わりません。
経営者と従業員が共通認識を持てるように伝えなければ、意図は伝わりません。
指示もそうですし、計画や理念や目標、ビジョンなどもそうです。
言葉の定義を明らかにし、意図を明確にして伝えるようにしましょう。
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