2021-11-02
順風満帆からの転落 原因は・・・
「ベンチャー企業の経営危機データベース」に掲載されている失敗事例から学ぶシリーズ。
今回は、10年以上順調に業績を伸ばし、24億円近い年商があったのに、一転して破綻した事例です。
同社は近赤外線治療器を中心に営業する医療機器販売業者でした。
創業以来、事業を成長させ続けていました。
ただ、一つの商品に依存するリスクがあったため、同製品に代わる主力商品を模索していました。
その結果、アメリカ製の医療検査機器の輸入販売を始めることになります。
その背景には、主力商品増を強く勧めるベンチャーキャピタルや証券会社の影響があったようです。
とはいえ、この判断が破綻の原因となりました。
新規取り扱い製品は仕入れ価格が一台120万円。
それを600台も一括仕入れしたのです。
この製品が売れれば問題なかったのですが、残念ながら思うように販売できず、過剰在庫となってしまいました。
その後、買い手に有利な販売条件を付けたものの、最終的には70台ほどしか売れず。
資金繰りが悪化して破綻してしまいました。
このようになった直接の原因は計画の甘さ、見通しの甘さです。
そしてもう一つ、致命的な原因があります。
それは同社の「経営者の決定が絶対視される社風」です。
社内からは大量の在庫を抱えるリスクを危惧する声がありましたが、経営者が突っ走ってしまったようです。
魅力的な商品に出会った時、期待に胸膨らむことは、よくあることです。
しかし、そんな時こそ冷静に販売計画を立てるべきです。
また、厳しい声にも真摯に向き合わなければ、思わぬ落とし穴に陥るということですね。
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新商品開発戦略の落とし穴
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