2021-10-07
薬局倒産過去最多から見える継続企業論
9月10日の日経DIという医療業界誌に、こんな見出しが躍っていました。
「薬局の倒産が過去最多を更新」
私は薬局経営者でもありますから、目が離せないタイトルです。
記事によると、2021年1月~8月の調剤薬局の倒産件数は22件。
これまでの過去最多件数は2017年の17件です。
2021年は8ヶ月ですでに22件ですから、かなりのペースで増えています。
倒産の原因は主に
◆コロナの感染拡大に伴う受診抑制
◆薬の公定価格の引き下げ
◆経営規模による仕入れ力の格差拡大
◆出店による過剰投資
です。
調剤薬局は今まで、医薬分業を推進する国策に後押しされて、長い間追い風が吹いていました。
病院が出す処方せんの通りに薬を調剤し、安全に服用できるよう助言することで、ビジネスが成立していたのです。
それがここにきてビジネス環境が急激に冷え込んできました。
ビジネスとしての賞味期限が切れ、斜陽ビジネスになりつつあるのです。
実は、薬局の倒産が増えだしたのは2014年。
コロナ以前から始まっていました。
つまり、もともと転換期を迎えていたのに、変化に対応したり、新たな挑戦をしなかったために倒産が増えたという見方も出来ます。
どんなビジネスにも、ライフサイクルがあります。
成長期の後は衰退するのです。
ビジネスを続けるにはライフサイクルを意識すべきです。
今のビジネスの需要が縮小することを想定し、新たな挑戦を続けなければなりません。
安定に胡坐をかいたとき、ビジネスの終焉が迫ってくるのだと思います。
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