2021-09-15
問題解決の基本 三現主義
三現主義という言葉をお聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか?
机上の空論ではなく、現場で現物を観察し、現実を認識することが問題解決の基本であるという考え方です。
この三現主義、問題解決や経営改善、経営計画策定には欠かせない考え方です。
ところが、長いこと経営者をやっていると、現場との距離が遠くなってしまうことがあります。その弊害は・・・
かつて、タカタという会社がありました。
世界第2位のエアバッグメーカーとして大企業になりながら、タカタショックとも言われる大規模リコールを引き起こし、倒産してしまった企業です。
世界倒産図鑑によるとタカタは衝突時のガス発生剤に硝酸アンモニウムを選びました。
この物質には大きな優位性がある一方、欠点もまた少なくなかったのです。
タカタはこの物質を選ぶことで優位性を手に入れました。
しかし、欠点が完全に克服されておらず、死亡事故まで発生したことで倒産につながりました。
不具合の原因は工場での品質管理のまずさでした。
本来なら問題が分かった時点で、現場、現物を見るべきです。
しかしそれを怠り、自社の品質を妄信しました。
現実を見なかったのですね。
問題解決の最初の一歩は現状把握です。
三現主義のように、抜かりなく現状を把握すれば、間違いを犯すことは少なくなります。
経営改善に取り組む時も同じです。
現状をきちんと把握しなければ、実態に即した効果的な改善策は出てきません。
「分かってるから」と言って手を抜かず、改めて現状の把握と分析をしっかり行いたいですね。
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