お客さんの行動に決定的な影響を与えるものとは【家業立て直し】
なぜ、私がDMを止めてニュースレターに変えたのか。
そしてなぜ、その選択が成功したのか。
今日はそのお話をしますね。
私ね、ずっと不思議に思っていたことがあったんです。
家業の薬屋にくるお客さんの中で、結構な割合で、こんなお客さんがいたんです。
「友達が勧めるから、この薬飲んでるの。
でもね、なんだか効いてる気がしなくて。」
飲んでる薬を見せてもらうと、その人の病気や体質にまるで合っていないものだったりすることが多いんですよね。
こういうことって結構多いんですよ。
政治家や官僚の言うことよりも、アーティストの言うことに共感するとか。
経験豊富な経営者のアドバイスよりも、経営経験のない家族の意見を取り入れるとか。
なんでそんな合理的じゃないことをするのか?
不思議だったんですよね。
でもね、時々私も同じ不合理なことをする。
娘が生まれるとき、産科医の言うことより、兄や母の言うことを信じたりね。
合理的に考えれば、専門性が高いプロフェッショナルの言うことを聞くほうが、間違いは少ないはずです。
でも、知識と経験に基づいたプロのアドバイスよりも、尊重される意見がある。
それは、身近な人や信頼している人の意見です。
つまり、「何を言うか」よりも「誰が言うか」の方が、圧倒的に影響を与えるってこと。
もっと言えば、信じるか、聞き入れるかは、相手との関係性によって変わるということ。
マーケティングの名著中の名著、「影響力の武器」にもそんな内容がたくさん出てきます。
「好意」を抱いている相手のいうことを信じてしまうとか、「権威」のある人間の言うことを信じるとか、世話になった人の意見を受け入れる「返報性」とか。
つまり、「売り手の言葉」=広告宣伝やチラシ、セールスを受け入れてもらうためには、聞き入れてもらえる関係性を作らなきゃいけないということ。
そのことに気づいたから、私はDMを止めて、ニュースレターを出し始めました。
それまで私が出していたDMは、商品紹介をメインにしたもの。
経営が傾いていたから、なんとしても売りたかったから、なんとか商品の良さを伝えようとしていたんです。
でも、それだけじゃ不十分だったんですよね。
「良い商品ですよ」と言っている自分自身の言葉を、お客さんに受け入れてもらう関係性がなきゃいけない。
お客さんにとって、話を聞きたくなる「誰か」にならなきゃいけない。
そこで商品紹介だらけだったDMを、社長である兄や両親、スタッフとお客さんの関係性を作るためのニュースレターに変更しました。
心掛けたのはただ1点。
とにかく人を登場させること。
近況報告の一言コメントやお役立ち情報には、スタッフ全員を登場させる。
スタッフのヒアリングコーナーを作り、スタッフの写真を掲載するコーナーを作り、チラシにもスタッフを登場させ、お客様の声にはスタッフからの返信を付けました。
とにかく、どのページを見ても、必ずスタッフがいる。
そしてスタッフのコメントが書いてある。
お客さんはそのニュースレターを読んで、スタッフとの共通点を見つけては、好意を抱いてくれる。
スタッフからのお役立ち情報を読んで、信頼を感じてくれる。
そうやって、とにかくスタッフとお客さんの接点を増やす方向に大きく舵を切りました。
接点が増えれば増えるほど、お客さんは我々の意見を聞いてくれる。
気軽に相談しに来店してくれ、オススメするものを買ってくれる。
そんな風に変化していきました。
もし、あなたが良い商品を扱っているのに、お客さんが買ってくれない
=受け入れてくれない、と感じているなら、それは内容の問題では無いかもしれません。
そもそも話を聞いてもらい、受け入れてもらう土俵に立てていないのかもしれません。
あなたのお店が繁盛店になることを願っています。
いつでもご相談下さいね!
応援していますよ!
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