2021-03-08
「誰でも作れる」から技術開発企業に転換した事例
◆業態転換事例シリーズ
コロナ禍を乗り切るための、新事業展開や業態転換のヒントになる事例を、「中小企業白書」からご紹介。
成功のための気付きをシェアいたします。
今回の出典は中小企業白書2013です。
◆基本情報
【社名】株式会社竹中製作所
【業種】製造業(ねじ)
【規模】資本金4,680万円 従業員155名
1935年に船用ねじ製造を目的に設立。高度成長期に事業を拡大したが・・・
◆従来の状況
第二次石油ショックで経済が低迷するなか、社長は今までの大量生産体制を続けていては、事業が持たないと考えていました。
そんな時、取引先から「錆びないねじを作れないか」と依頼され、技術開発に取り掛かります。
◆取り組み
最初の壁は技術不足。技術を持った人材確保が困難だったため、京都大学との共同研究で課題を乗り越えました。
次の課題は販路。
今までにないねじは実績が無いため、4年も国内では売れず。
そこで米国に売り込んだところ、採用され普及しました。
◆取り組みの結果
それまで、どこでも作れるねじを大量生産するビジネスをしていた同社ですが、今では海洋構築物のねじシェアは9割。
さらにカーボンナノチューブを皮膜にした新製品を開発するなど、独自の技術を持つ技術開発企業として成長に取り組んでいます。
◆成功のポイント
最初のポイントは、「錆びないねじ」という、常識外のアイディアを追求したことです。
人材がいない課題も、京都大学というパートナーを求めることで開発に成功します。
ビジョンを定め、課題解決にひたむきに取り組んだことが成功に繋がりました。
◆成功のポイント2
2つ目のポイントは、海外にまで売り込んだことです。今までにない商品の価値を理解してもらうのはとても困難です。
錆びないねじを欲しがるのは誰かを考え、5年間も諦めず、海外にまで売りに行く、腰の据わった取り組みが成功を引き寄せたと言えます。
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