融資・リスケ・借換——承認されてからが本番という話

「承認された」「実行された」、それはスタートラインです
「このままの経営で返済できるだろうか」「借換の話をしたいけど、大丈夫かな」。
金融機関対応を前にして、多くの方が同じような不安を感じます。
なのに、金融機関との交渉がうまくいったあとは・・・「なぜこんなことに?」となることも少なくありません。
こんにちは。中小企業診断士・キャッシュフローコーチの梅崎です。薬局経営の現場を経験したのち、現在は調剤薬局をはじめとする中小企業の経営改善支援を行っています。
金融機関対応がうまくいって、ホッとしたい気持ちはよく分かります。でも、その「ホッ」が落とし穴になることが、支援の現場では少なくありません。今日は少し早めに、そのお話をしておきたいと思います。
この記事を読むとわかること
・リスケや借換の後に起きやすい「緩み」のパターン
・手元に残ったお金をどう捉えるべきか
・立て直せる会社に共通していること
融資・借換・リスケできた!なのにその後・・・
例えばリスケ(返済条件の変更)が認められると、毎月の返済額が減ります。それまで資金繰りを圧迫していた返済負担が軽くなるわけですから、手元にお金が残るようになります。
支援の現場では、返済負担が軽減されて本業に専念できるようになったことで、売上が上がるケースも多いです。それ自体はとても良いことです。
ただ、そこで気になることが起きてきます。売上が上がってきているのに、経費も一緒に増えているケースが出てくるのです。本来は経営改善計画に従ってコストカットにも取り組まなければいけないのに・・・。
「この経費、本当に必要でしたか?」
後になってそう確認せざるを得ない場面が、正直、時々あります。経費が増えている理由を確認すると、必要な取り組みへの投資というより、お金に少し余裕ができたことでコスト意識が甘くなっていることがあります。せっかく支援してもらったのに、お金の使い方が雑になってしまっては本末転倒です。
必要な経費をかけることは、当然あっていいんです。収益力を高めるための投資なら、むしろ積極的にやるべきです。問題は、よく考えずに使ってしまっているケースです。そのために支援を受けたわけではない、ということです。
手元にあるお金は、本来返すべきだったお金です
リスケが認められたとき、経営者の方にお伝えしたいと思っていることがあります。
「今手元に残っているお金は、本来返すべきだったお金です。無駄に使っていいものではありません。」
リスケというのは、返済を免除してもらったわけではありません。「今は返せないから、待ってもらっている」状態です。支援することで利息が得られるという事情もありますが、一方で経営を立て直して、いずれきちんと返済できる会社になってほしいというのもあります。
借入金を返せていない状況にあるわけですから、コストに緩くなっていい理由はどこにもありません。収益を上げて存続できる会社にしていかなければならない局面に、今いるわけです。その意識を持てるかどうかが、支援を受けた後の経営を大きく左右します。
経営改善計画の本当の成果は、リスケそのものではない
リスケや借換が認められると、「これでひと段落」と感じる方が多いです。気持ちとしては分かります。でも、それは違います。
経営改善計画の本当の成果は、リスケしてもらったことでも、借換してもらったことでもありません。「これからこうやっていく」という方向性が定まり、その取り組みに対して金融機関から一定期間の支援を引き出せたこと、それが成果です。
言い換えると、経営改善計画とは「これから何をするか」を言語化したものです。「加算をきちんと取得して収益力を高める」「薬剤師の採用を進めて体制を整える」「無駄なコストを見直して粗利を改善する」——そういった具体的な行動の約束を文書にして、金融機関に示したものです。その約束を果たしていくことが、計画を作った本当の意味になります。
立て直せる会社に共通していること
支援の現場で多くの会社を見てきて、感じることがあります。経営を立て直せた会社には、共通点があります。
決めたことを、愚直にやり続けている。
経営改善計画を作る中で方向性を決めたら、それをこつこつとやり続ける。華やかな取り組みではないかもしれませんが、約束したことをやる、その積み重ねが成果につながっていきます。
取り組んでみて、思ったような成果が出ないこともあります。その時はまた練り直せばいい。でも、少なくともやると言ったことはやる。その姿勢があるかどうかが、立て直せる会社とそうでない会社の分かれ目だと、私は感じています。
金融機関との約束を守ること、行動で示すこと。それが次の信頼につながり、経営の選択肢を広げていくことになります。いざ設備投資をしたい、もう一店舗出したいという場面が来たとき、日頃の姿勢が問われることになります。
金融機関対応を考えているあなたへ
リスケや借換の交渉をこれから進めようとしている方、あるいはすでに支援を受けている方、どちらにも共通してお伝えしたいことがあります。
承認されること、実行されること、それはゴールではありません。そこからが本番です。
手元のお金は本来返すべきだったお金。その意識を持って、決めたことを愚直にやり続ける。それが、支援を受けた意味を経営の成果にしていく道だと思っています。
金融機関対応や経営改善について、「自分の薬局の場合はどうすればいいのか」と気になる方は、ぜひ一度無料相談をご活用ください。一緒に考えていきましょう。
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