「伝えたつもり」が3割は伝わっていない。職場のすれ違いをなくすシンプルな習慣

こんにちは。中小企業診断士・キャッシュフローコーチの梅崎です。薬局経営の現場を経験したのち、現在は調剤薬局をはじめとする中小企業の経営改善支援を行っています。
スタッフに指示を出したのに、返ってきた結果が「あれ、思っていたのと違う・・・」ということ、ありませんか?
経営相談をしていても「スタッフが言ったとおりに動いてくれない」というお悩みをよく耳にします。
ちゃんと伝えたつもりなのに思っていた内容と違う。準備してもらった書類を見たら、これじゃないんだよな…と感じた。発注をお願いしたはずなのに、されていなかった。そんな場面でモヤモヤしたり、ついイラッとしてしまったなんて経験、ありませんか?
この記事を読むとわかること
・なぜ「伝えたつもり」が実は伝わっていないのか
・実際の実験でわかった、本当の理由
・今日からできる、シンプルな解決策
商工会の窓口でも、薬局時代にも、同じ悩みが出てきた
先日、久しぶりに商工会の窓口相談を担当しました。来年1月ごろまで、約1年間にわたってさまざまな経営相談に対応していく予定です。
初日から3件のご相談がありました。メインは補助金の話でしたが、どの事業者さんも共通して「人の問題」を抱えていました。採用、定着、教育。そして「言ったことをやってくれない」「思った通りに動いてくれない」という悩みです。
聞いていて、薬局を経営していた頃のことを思い出しました。
私が店長をしていたとき、こんなことがありました。一人の患者さんしか使っていないお薬ってありますよね。そういう薬を在庫しすぎないよう、来局時期が近づいたら発注するという仕組みにしていました。で、その時期が近付いてきたので「そろそろ発注しておいてね」と伝えたつもりだったのに発注されていなくて、心苦しく思いながら急配をお願いしたり。
書類の準備をお願いしたときも、出てきたものを見て「あれ、これじゃないんだけどな…」ということがありました。こちらとしてはちゃんと伝えたつもりだったのに、相手が理解した内容が違っていたなんてことが度々ありました。
スタッフが言ったとおりに動いてくれない経験をしたことがある方は、きっと多いはず。
「言葉の壁」の問題ではなかった
先日、キャッシュフローコーチのブログを読んでいたら、この悩みにぴったりの実験が紹介されていました。
※キャッシュフローコーチとは、お金の流れを見える化し、経営数字を使って本業の発展をサポートする専門家です。
ある会社でも同じように、「指示が伝わらない、思い通りに動いてもらえない」という悩みを抱えていました。
そこで外国人実習生に対して「指示を復唱してもらう」という取り組みを始めたそうです。
指示を出した後に「今言ったことを繰り返してみてください」と求め、正しく復唱できたかどうかを記録していったのです。
外国語だから伝わりにくいのだろう、という仮説のもとで計測を始めたところ、やはり6割が正しく復唱できなかったという結果が出ました。
言葉の壁が原因なのかを確認するため、今度は日本人スタッフにも同じ計測をしてみたそうです。
日本人ならほぼ全員が正しく復唱できるはずですから。
しかし結果は、3割が正しく復唱できなかったそうです。
「わかりました」と返事があったとしても、実際には3人に1人が、こちらの意図とは違う内容で理解している可能性があるわけです。
言葉が違うから伝わらないのではなく、「伝えること」と「理解されること」は、もともと別のことなのだということなんですね。
そこでこの会社では、大切な指示を出したら、「ちょっと確認させてください。今の内容を繰り返してみてもらえますか?」と、復唱を求めるようにしたそうです。
理解不足や誤った解釈を防ぐため、その場でフォローすることで、言ったとおりに動いてくれない問題を解消したわけです。
もし復唱の内容がこちらの意図とずれていたら、その場でもう一度説明できます。「わかりました」という返事だけで終わらせず、理解の中身を確認する一言を加える。これが習慣になるだけで、後からのモヤモヤはぐっと減るはずです。
採用の場面でも同じことが言える
この「伝わり方を確認する」という視点は、採用の場面でも大切です。
求人サイトや会社案内に、自分たちの理念や価値観をしっかり書いたとしても、それを読んでどう受け取ったかは、応募者によって全然違います。言葉の受け取り方は人それぞれです。「うちの価値観に合いそうだ」と思って採用したのに、入ってみたら全然違った、というのはよくある話ではないでしょうか。
私自身も、採用の面談で「うちの理念についてどう思いましたか?」「読んでみて、どんなことを感じましたか?」と感想を聞くようにしていました。そうすることで、こちらの意図が正しく伝わっているかどうか、価値観が合いそうかどうかを確認できます。
日常の業務指示でも、採用面談でも、「伝えた」で終わらせず「伝わったか確認する」一手間が、後々の大きなすれ違いを防いでくれます。
小さな確認の積み重ねが、職場の空気をつくる
「言ったことをやってくれない」という状態が続くと、お互いにストレスが溜まっていきます。そしてそれが積み重なると、職場の雰囲気が少しずつ悪くなっていく。
雰囲気が悪くなると、退職につながることもあります。せっかく育てたスタッフとのいい関係も、気づかないうちに壊れていってしまう。
だからこそ、悪い積み重ねをしないための小さな工夫が大切です。「ちょっと確認させてください」「今の内容を繰り返してみてもらえますか?」たったこれだけのことで、職場のコミュニケーションは変わっていきます。
今日から、ぜひ試してみてくださいね。
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